展覧会「COMPOSITION」に参加しました
2017年の2017/10/07(土)から2017/10/15(日)に開催された、大阪のプロダクトデザイナー江口海里さんディレクションによる展覧会「COMPOSITION」に参加しました。
この展覧会は、大阪在住の方を中心に10名を超えるデザイナーが出展するグループ展で、展示のお題は「JOINT」。デザイナーが考えるDIYのためのジョイントパーツはどのようなものになるだろう?という問いかけから始まった企画です。
https://www.facebook.com/osakacomposition/
会場と展示物のこと
会場は大阪なんばの「DIY FACTORY OSAKA」。DIYのスキル激高のスタッフの皆さんが揃い、各種工具やそれを使いこなすための講習も受けられる、尖ったショップです。後述するトークショーでもお相手頂いた小寺さんはじめ、皆さん楽しそうに働かれていたのが印象的でした。
また、展覧会を行うにあたって、3DプリンタメーカーのFormlabs社に材料面のご協力を頂きました。
今回展示したプロトタイプはほぼ全てFormlabs社の「Form2」によって出力されています。時間のない中、ハイクオリティなプロトタイプを展示できたのはForm2の力によるところが大きいです。
DIY FACTORY OSAKA、Formlabs両社には個人的にも大変お世話になりました。改めて感謝いたします。
自分の作品「HOUSE TENT KIT」について
さて、僕はこの展示に「HOUSE TENT KIT」というプロトタイプを出展しました。
「家の中にかんたんにテントを建てる」ためのプロトタイプで、3Dプリントによって出力したジョイントパーツに丸棒を差し込み、そこにカーテンを張ることで、家の中にあるものを用いてちょっとした非日常空間を出現させるというものです。
子どものころ、タオルケットを椅子の間に渡してテントごっこをするのが大好きだったことを覚えています。その楽しみを、大人になった今実現するならどんなものになるか?ということが自分に対してのテーマです。
以前に書いたスケッチ 今回のプロトタイプのご先祖にあたるもの
組み立ては上記の通りパーツに棒を入れるだけのシンプルなものですが、みんなで協力して組み立てるのはとても楽しいはず!と考え、作ったもので遊ぶだけでなく、組み立てるプロセスも楽しんでもらうことを狙いました。
ただ、このプロトタイプはまだまだ改善の余地があります。時間を見つけてリメイクし、もっと楽しくしてDIY FACTORYさんに再度見て頂きたいな…と企んでいます。
デザイナーの好きなものとみんなの好きなものが違う問題
COMPOSITIONの企画として、デザイナーが自分の作品を提供しお客さんと一緒に組み立てるワークショップと、参加デザイナー陣とDIY FACTORYの小寺さんが質問を投げ交わす形でのトークショーが行われました。
イベント主催の江口さん(左)と、DIY FACTORYの小寺さん(右) 加えてデザイナーが4人出演
トークショーは盛況でしたが、ワークショップとトークショーを行う中で感じたことがありました。それが、段落のタイトルにもした「デザイナーの好きなものとみんなの好きなものが違う問題」です。
前々から感じていたことだったのですが、今回の展示でも「デザイナーの好むものと、一般層の好むものが離れてしまっているな」と感じさせられました。
誤解を招く言い方かもしれませんが、デザインに興味のない層からすれば、シンプルで洗練されたいわゆるハイなデザインが「かっこいい・良い」というイメージに直結することは、残念ながらない。むしろ、穿った見方をすれば「お高くとまっていてよく分からない」というイメージに結びつきすらする。
DIYや雑貨的感覚は、なんだかんだ人口に膾炙しています。果たして、「デザイナーが面白いと思うもの」に、それができているのか?
僕もデザイナーのはしくれ、もちろんミラノサローネで発表されるようなプロダクトや、名だたるデザイナーの仕事は大好きですし、もちろん自虐的になる必要はありませんが、少なくとも、今自分たちが良いと思っているものを一度疑ってみる必要はあると思います。
それを意識したのは、参加デザイナーがプライベートワークのアクセサリー作りをDIY FACTORYさんの空きスペースで始めたとき、誰かが「こっちのほうが(僕らがやっているプロダクトの)ワークショップより面白そうだよね」とふと言ったとき。
そうだよな〜っと思ったあとに、それがけっこうヤバいことだと気づいたのです。
でも、それを意識することができた。その気付きから、何か新しいものを生み出すことができればしめたものだと思います。
ともあれ、成果も課題もあった、学び多い展覧会でした。
ここに参加できてよかった。
江口さんはじめ、参加者の皆さま、トークやレセプションでお話した皆さま、そして来場者の皆さま、どうもありがとうございました!
(この次はモアベターよ)