ふしぎデザインブログ

デザイン事務所「ふしぎデザイン」の仕事やメイキングについて書くブログです。

考えごと

秋の鯖江に、デザイナーと作り手を訪ねて

つい昨日、福井県の鯖江に住む友人の森くんのもとを訪ねてきた。 仕事で金沢に行く用事があり、そのついでにということで立ち寄らせてもらったのだ。 北陸新幹線に初めて乗りました 大学時代の同級生である森くんは現在フリーランスのプロダクトデザイナーを…

大変な時代を遊ぶ

もう2ヶ月ほど前になるが、大阪で友人のイラストレーター・漫画家のイシヤマアズサさんとお話する機会があり、お互いの仕事などを話す中で、ひとつ面白いお話を聞いた。 イシヤマさんの最新作。生活の喜びとかなしみが詰まっていてすばらしい。みんなで読も…

デザイン事務所「ふしぎデザイン」を設立しました

この度、2017年4月まで勤務した象印マホービン株式会社から独立し、デザイン事務所「ふしぎデザイン」を東京に設立いたしました。 お知らせするのがすっかり遅くなってしまいましたが、もろもろ準備が整いましたので、こうしてブログを書いている次第です。…

センス・オブ・ワンダー

レイチェル・カーソンの「センス・オブ・ワンダー」を読んだ。 センス・オブ・ワンダー 作者: レイチェル・L.カーソン,Rachel L. Carson,上遠恵子 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 1996/07/01 メディア: 単行本 購入: 15人 クリック: 96回 この商品を含むブ…

ムーミン谷の冬

数少ない、何度も読み返してしまう本に「ムーミン谷の冬」がある。 新装版 ムーミン谷の冬 (講談社文庫) 作者: トーベ・ヤンソン,山室静 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2011/06/15 メディア: 文庫 購入: 1人 クリック: 4回 この商品を含むブログ (5件) を…

「Fabのそれから」トークショー再録

以前の記事にひきつづき、個展「想像力の部屋」トークショーを再録してみます。 今回は、ものづくり集団「電化美術」のリーダー中田さんと、Fablab北加賀屋の共同設立者の津田和俊さんをゲストに迎えた、「Fabのそれから」というタイトルのトークです。 この…

豊島美術館に行ってどえらい感動した話

連休の前の平日に休みが取れたので、一泊で瀬戸内海の豊島に行ってきた。 長いこと行けずにいた豊島美術館を訪れるためだ。 豊島はアートの島として有名な直島のすぐそばにある。僕は大阪から鈍行列車で宇野まで行き、そこからフェリーで島に向かった。 瀬戸…

「インターネットは最高」トークショー再録

2年前のちょうど今ごろ、初めての個展「想像力の部屋」を、大阪茨木のグランファブリックさんで開催した。会期は3週間で、週末ごとにゲストをお呼びしてトークショーをやってみた。全三回で、けっこう好評だったんです。 「インターネットと創作」「インハウ…

たいしたことないものを人に見せること

(自戒を込めて書きます) 自分で作ったもの、あるいは描いた絵、作った音楽、文章でも、なんでも良いんだけど、なにか作ったものを誰かに見てもらうことって結構ハードルが高い。 芸事を行う人ならわかると思うけれど、\これを作りました/ と発表することで…

文学のなかのもの

先週末、大学のころの友人と話していた時に、小説、特に戦前の文章の「ものを描写するテクニック」ってすごいよねという話題になった。夏目漱石が羊羹のことを書いた文章とかすごいよという話。あまり思い出せなくてもどかしい思いをしたので、家に帰ってか…

「新版 論文の教室」はめっちゃ役に立つ本

戸田山和久「新版 論文の教室―レポートから卒論まで」を読み終えた。 昨年深圳でお会いした松田さんがTwitterでおすすめしており、面白そうだなと思って買ってみたのだけれど、これはものすごく役に立つ良い本だった。 新版 論文の教室―レポートから卒論まで…

「欲しいもの」を教えて

最近、欲しいものってある? 僕は今使っているものより造形体積の大きい3Dプリンタと三次元加工ができるCNC切削機(できればローランドのやつ)、それからいい包丁が欲しい。 でも、これらはちょっと一般的な需要とは言えないかもしれない。それに、工業製品…

年末年始の読書週間

年末と年始にまとまった休みがとれたので、まとめて何冊か読書をした。 お金の扱い方が苦手なので、その分野の本を中心に選んで、自分にしては結構なハイペースで読んだ。こんな時でないと「読むぞ!」という気にならないものだし。 人工知能と経済の未来 20…

第5回 ニコ技術深セン観察会に参加して感じたこと

2016年の8月15-16日、お盆休みを利用して、チームラボの高須さんが主催する「ニコ技深圳観察会」に参加してきました。 このイベントは、製造業の世界的中心地であり、ハードウェアスタートアップが集う街でもある深圳の様々な現場をめぐり、刻々と変化するも…

2015年は

あけまして、おめでとうございます!2015年は両方やる年にします。たくさんの人に向けた会社の仕事と、限りなく個人的なプライベートワーク。現在の自分のためにきちんと生活することと、未来の自分のために手を動かすこと。得意なことを伸ばすことと、自分…

歌う理由 あけたらしろめと秋山慶太のキャラクター展を終えて

展示について、なにか書かなくちゃなと思いながらずっと文章が書けないでいました。 展示を通して出会ったひとがめちゃめちゃ多かったし、自分のものづくりに対する考え方もかなり変わっちゃったので、簡単にはまとめられないなと思ってたんだけど、まとまら…

共同アトリエ miimi design studioのこと

昨日今日はDIYでフローリングを作ったりしていた。何かというと、共同アトリエのmiimi design studioの改装をしてたのだ。デザインスタジオなんていう名前だけど仕事をしているわけではなく、週末のプライベートワークの作業場兼たまり場のようなものとして…

標本考

標本のことが気になっている。ガラスと木でできた箱に収められた植物や鉱物、動物の骨格の周りに漂う、空気の流れがぴたりと静止しているような雰囲気。あれが気になる。自分の作品に関わるということもあって、最近標本をよく見る。その度に気になっている…

XAをてにいれた

旅行のときに手軽に持ち歩けるフィルムのカメラが欲しいなあと思って、オリンパスのXAを買った。1979年のカメラなのでもちろん中古。このカメラはものすごく小さいし、見た目もなかなかヘンでかわいいのだ。レンズキャップがついていない代わりにスライド式…

もので風景を描く

プロダクトデザインをやっていていいなと感じるのは、自分がデザインしたものが誰かのところに届き、その人の生活を支えることができるというところだ。言い換えるならば、ものを通して知らず知らずのうちに誰かとコミュニケーションできるということ。そう…

直接もの作り

手でものを作るのは難しい。 久々に木を扱ってみてそのことをはっきりと思い出した。普段会社で絵とCADを使ってものをデザインしていると、いかにもサクサクとものが作れるような錯覚を起こすのだが、リアルな世界はそんなに甘くない。今作っている形は比較…

二個できた

次は木で作る。とりあえず無垢削りだしじゃなく合板で作るよ。

相模原とローカルについて

「日本の風土、価値観をデザインに反映させる」とてもよく聞く売り文句の一つです。この列島で育んできた簡素かつ豊かな文化を現代に合うように再構成し、暮らしに取り入れる。それはどんなに素敵だろうと考えるデザイナーは多いんじゃないか。しかし、みん…

文章を書くことについて

文章を書くことはむずかしい。デザイナーにとってもっともパワフルな伝達方法はビジュアルだと信じていますが、一番みんなに通じる方法は文章なのではと思うこともよくあります。ビジュアルを操るデザイナーも、いろんな人に自分の考えをスムーズに伝えるに…

デザインスケッチってなんだっけ

草野くんのブログのポストを読んで、ものすごく共感しました。プロダクトデザインと、それを進めるためのスケッチについてとても鋭い考察を展開しています。まず読んでください。その内容をふまえて、デザインスケッチについて僕も考えてみることにします。…